第6回 ヴィーネクストで実現したいこと

個人から法人として、ヴィーネクストが持つ可能性

このコラムの副題に「架け橋」という言葉を入れました。この言葉はずっとわたしの根底にあります。また、「架け橋」と同じように「ギャップ」についてもずっと触れてきました。
前回、ヴィーネクストのスタートについて書いたことで、改めてこの2つの言葉について考えることができました。

当時、一人のブリッジSEとして、業務上行ってきたギャップを埋めるための架け橋は、少しでも仕事への取り組み方や、具体的なやり方の水準が上がって欲しいというものでした。また、日本で生活している一人の生活者として、実感したり見聞したりする日本の良いところをチョイスして、ベトナムの身近な人に紹介するというようなことも、文化交流の架け橋としての楽しい側面です。あるベトナム人の友人は、日本人がハサミを手渡すときに、刃側を自分で持って、把手側を受け取る人に向けるのを見て、感激したと言っていました。そして、たくさんの人にその話をしているそうです。こういった、日々感じる日本の良いところの紹介を、わたしを含めたくさんのベトナム人がいろいろなところで実践しています。

さまざまなことに取り組んでいると、やはり個人の力では足りないと感じることもたくさんありました。ヴィーネクストを興すことで、個人から会社の規模でのブリッジを行えるという変化は、非常に重要な出来事でした。
また、会社を通じてビジネスに対する考え方などを日本の水準に引き上げることができるならば、ジーネクストにとっても、社会貢献の意義が高いと意識していました。

例えば、日本の「お客さま対応」の業務の成熟度は、とても先進的です。そのシステム開発を行うことにより、業務の考え方や運営方法、教育手法などを知ることは、ビジネスの在り方のひとつを学ぶ上でとても役に立つことだと思いました。そして、「お客さま対応」そのものの水準の高さは、是非、未来のベトナムで実現したいことだと思っています。

もちろん、ヴィーネクストを立ち上げるにあたって、もう少し実務的なことも思いの1つとしてありました。
それは、自分たちがやりたい事を、自分たちの意思で設定できるというものです。また、今まで以上に大きな仕事へのチャレンジも思い描いていました。私たちが組織的にいろいろなことを実現させるためのステージが、ヴィーネクストそのものなのです。

ヴィーネクストのメンバーに対して、「架け橋」と「ギャップ」どちらにも影響する行動が、「教える」という事でした。
一人のブリッジSEとしてベトナムのスタッフと関わっていた時に、日本の仕事のやり方についての常識などを開発者に教えていました。その時以上に、ヴィーネクストのメンバーには、一所懸命トレーニングを行いました。仕事を通じて、日本的な水準を伝えることができ、レベルが上がっていくのを実感できるのは本当にうれしいと思っていました。

これらを続けていけばいくほど、立ち上げの時に考えていた、ベトナムで開発子会社を作る優位性についても再確認できました。
他のオフショア会社に開発を依頼していた時に感じていたのは、開発パートナーの都合に依存することがけっこうあるという事でした。人財の確保や、時間の管理、もちろん経費面でも思うように進まないことが発生していました。
しかし、自分たちの会社を持つことで、全体のコストパフォーマンスを向上させることが可能になりました。収支を自分たちで管理できるという事は、やはり大きなメリットです。そして、そこから、自分たちの考え方を共有できる人財の育成をすることができるようになりました。その結果、案件に関わるインフラストラクチャの調整もやりやすくなりました。

これらの日常的な業務の底上げを続けることで、もっと未来を見据えたメリットも想定できてきました。それは、将来的にベトナムのローカル市場に向けてのソフトウェアやソリューション提供の為の下地作りが可能になるという点です。ヴィーネクストに日本的な品質管理やビジネスの考え方が定着していれば、それだけでベトナムの市場での評価が高くなります。

様々な水準が高い企業としてヴィーネクストが発展していくために、更なる教育の強化を模索し始めました。

(続く)