第4回 求められるブリッジSEの人物像とは

『コミュニケーション能力』の重要性

日本とベトナムをつなぐ仕事に携わって10年になります。
今までのプロジェクトを通じて、自分なりにブリッジSEとしてどのような点に気を付けてプロジェクトに取り組むとよいかという定義ができてきました。

一番重要な要件は、『コミュニケーション能力』です。第3回でもお話しした通り、ブリッジSEとして最も気を付ける点は、日本とベトナムの文化・慣習、ビジネスの考え方のギャップを理解し、クライアント企業とオフショアチームの両方をつなぎ、信頼関係を築けるよう努めることです。
『コミュニケーション能力』を軸に、『段取り力』『チームワークを構築する能力』が必要となってきます。この『段取り力』『チームワークを構築する能力』も、チーム間でのギャップから発生してしまう、コミュニケーションのずれを調整する為に重要です。そして、そのずれをどれだけなくせるかがプロジェクトのスムーズな進行のポイントになってきます。

『段取り力』でいうと、お互いのスケジュールの切迫感に対する認識の違いを埋めてあげて円滑に進行するということがポイントになります。『チームワークを構築する能力』でいうと、離れたところにいるクライアント企業とオフショアチームを同じ目的をもった1つのチームとして、いかにベクトルをあわせていけるかということが大きなポイントになります。
もちろん、『技術的な知識』『言語能力』がより高ければ、オフショア開発でのプロジェクトではさらに役に立つことでしょう。

上記の通り、必要な能力というものを上げてきました。『コミュニケーション能力』『段取り力』『チームワークを構築する能力』とそれぞれを見ると、特別に変わったこともなく、日本でプロジェクトマネジメントを行うときに必要とされるものと何ら変わらない印象を受けると思います。しかし、日本で必要とされている能力とは圧倒的に何が違うかというと、やはり「ブリッジ」するという事です。それを忘れずに、仕事を進行してほしいと、ブリッジSEを目指している方々にはお話ししています。

『ブリッジSE』は、その名の通り、日本とベトナムのチーム同士を『ブリッジ』するわけですが、徐々にブリッジすることを減らしていこうという意識も重要です。
「ベトナムの事情を知っておく。」「日本からの要望を理解する。」という両側の事を熟知することは当然なのですが、ある段階で、クライアントとオフショアチームの間での、相互理解を促すようなことができたら、ブリッジSEとして両者をつなぐための説明が不要となっています。そうすれば、次のプロジェクトはもっとスムーズになっていきます。
単なる、やり取りの行ったり来たりをつなぐだけでは、優秀なブリッジSEにはなりえないのではと思っています。

ベトナムにオフショア開発の拠点をつくる道

ブリッジSEとして、いくつかのブロジェクトを進めていく中で、1つひとつのプロジェクトの『ブリッジ』だけではなく、もっと大きな『ブリッジ』を現実のものにしなければならないと強く思い始めました。それは、自分たちでベトナムにオフショア開発の拠点を立ち上げることです。

実はこれはわたしの夢であるとともに、横治社長のビジョンの1つでもあったのです。 わたしはジーネクストに入社するとき、横治社長に「いつかベトナムに会社を立ち上げたい」と伝えていました。また、横治社長も、将来、海外に会社を興したいという考えを持っていて、これはわたしたち二人の共有の想いでした。

当時、ジーネクストは様々な国のメンバーを採用していましたので、その時、横治社長の中で、ベトナムがどれほどターゲットだったかはわかりませんが、ベトナムでオフショアのプロジェクトをスタートした段階で、会社設立のリサーチもスタートした訳です。
リサーチを開始した1年目は、「成功する・しない」ということよりも、「NGではない」ということを判断する期間でした。2年目に入ると、頑張れば可能だという確信を持っていましたので、「どうすれば、会社を設立できるか」のアンテナを張り巡らしていました。
この時、わたしの背中を大きく押してくれたのもまた、横治社長でした。漠然と海外の拠点をと考えていたのだと思いますが、「君が、やりたい、そしてやれると思うなら、ベトナムを最初の拠点にしよう」と言われたのです。これは本当に大きなモチベーションとなりました。
ベトナムに会社を興そうと思ったきっかけは何ですか?よく聞かれる質問ですが、わたしにとっては、そうなるべくしてなっていったという感じなのです。

さて、会社を設立するというプロジェクトを進行することになりました。次回からは、ベトナムという国で、会社を立ち上げた軌跡についてお話ししていきます。

(続く)