Vol.31 チェンライで想うミャンマー

チェンライに行ってきました

先日、日本に住む両親と息子と一緒に、タイのチェンライに行ってきました!
タイといえば、首都であるバンコクやリゾート地であるプーケットなどが有名です。一方、日本に住んでいると、なかなか馴染みのないチェンライは、タイ北部、ミャンマーとの国境付近にある比較的田舎の県です。田畑や山が連なり、山岳少数民族であるアカ族やカレン族(首長族)、ヤオ族の住む地域としても知られています。黒地に色鮮やかな刺繍や、ビーズやポンポンをつけた印象的な伝統衣装を見た事がある方も多いかもしれません。
タイの王族の避暑地としても利用されるようです。

『田舎』で『少数民族の住む地域』というイメージから、社員旅行で行ったことのあるミャンマーのグエサウンビーチのような、電気や水道が来ておらず、ホテルでは発電機を利用していて、何もないローカルな場所を想像していました。
ところが、到着した瞬間から、その予想は大きく覆されることとなりました。

チェンライの発展

まず、私が驚いたのは、チェンライの道路がきれいに舗装されている事でした。車が走る部分だけではなく、歩道も整備されていて、穴が空いていたり、大きく凸凹していたりする箇所はありません。そして、街中にゴミが少ない事にも驚きました。そのため、水路がきちんと水路として機能しており、嫌な臭いもしません。また、住んでいる方に聞いたところ、停電もほとんど起こらないとの事でした。

市街地から少し離れた場所にも、小型のバスで足を伸ばしたのですが、道中の道路もきちんと舗装されていました。広い道路の両脇には、車屋さんやホームセンター、飲食店やコンビニエンスストアなどが並び、さながら日本の地方都市の風景のようでした。なんと、スターバックスやセブンイレブンもありました。

同行した方が、道中の歩道を見て「歩道に陥没している部分があるね」「歩道の真ん中に木が生えているね。通るときに邪魔そうだな」と言っていたのですが、私は同じ歩道を見て「きれいで、平らで、歩きやすそうな歩道だなー!」と思っていました。
また、「あのレストランは入るのに、少し勇気がいりますね」と言っていたレストランも、「清潔そうなレストランだなー、近所にあったら嬉しいかも」と思って見ていました。
そして、特筆すべきは、ヤンゴンだとダウンタウンにしかなさそうな素敵なカフェが、街中のいたるところにあったことです。

心の中では「ヤンゴンは、道路も歩道もボコボコで、停電ばかりで、水路はゴミだらけで異臭がするし、セブンイレブンもないし、首都なのに完全に負けている…」と、思うと同時に、ふだん暮らしているヤンゴンが、まだまだ発展が遅れているんだな…と再確認する事となりました。

ミャンマー国境の町メーサイ

さて、チェンライの北部にメーサイという町があり、ミャンマーと国境が接しています。メーサイとミャンマーのタチレクの間にある川で国土が分かれており、イミグレもそこにあります。パスポートさえあれば、簡単に行き来ができます。私たちもメーサイからミャンマーへ入国してみました。

メーサイには、ミャンマーから行商に来ている人もたくさんいて、顔にタナカと言われるミャンマー伝統の化粧品を塗っていたり、民族衣装のロンジーを履いていたりするので、一目でミャンマー人と分かります。

また、タチレクにもタイ人がたくさんいて、お店の看板や値札などは、ミャンマー語、タイ語、そして中国語の3ヶ国語で書いてありました。買い物にはタイバーツも使えますし、タイ語も通じます。
売っているものは、中国製のコピーのブランド品や象牙製品、翡翠などですが、ガイドさんによると「本物かどうか分からないし、品質も良くないのでおすすめできない」とのこと。たしかに欲しくなるようなものはあまりありませんでしたが、3ヶ国語の看板を見て回るだけでも楽しく、なつかしいミャンマー語の文字になんだかホッとしました。

日本で生まれ育った私にとって、国境を越えるというのは、すなわち飛行機に乗って違う陸地へと行くことで、気合いが必要な事です。でも、ここで生まれ育った人にとっては川を渡ればもう別の国があって、簡単にいく事が出来る。言葉も料理も文化も違う場所がすぐそこにあって、意図せずとも交わっているのでしょう。そんな場所に生まれて暮らすってどんな感じなんだろう?と思いは尽きませんでした。

私たちが、タイからミャンマーに入国するときは、いったんミャンマー側のイミグレに自分たちのパスポートを預け、かわりに紙をもらい、帰りにまたイミグレでその紙と引き換えにパスポートを受け取るという仕組みです。

息子を連れて入国した私たちに、「ハロー、ベイビー!」と言ってミャンマーのイミグレの人が渡してくれたのは、小さなお菓子でした。
「あぁ、ここはたしかにミャンマーだな」と感じると共に、何もかも負けているミャンマーで暮らす理由も再確認できたように思います。