Vol.03 社員旅行はサバイバル?!

ドキドキの社員旅行

ヤンゴンに引っ越してきて、初めての週末。あまりのローカルな環境にくじける間もなく、あるイベントがありました。ジーネクストミャンマー、初の社員旅行です。
グエサウンビーチという、ヤンゴン市内からバスで7時間のビーチに1泊2日で遊びに行くのです。

…ちょ、ちょ、ちょっと待った!バスで7時間!?赤ちゃんと一緒に!?

息子は首がすわったばかり。飛行機に乗ってミャンマーまでやってきたとはいえ、バスで7時間はもちろん未体験。
しかし、選択肢はありませんでした。社員旅行に行かないという事は、着いたばかりで、右も左もミャンマー語も分からないヤンゴンに丸2日間息子と2人っきりという事。ドキドキしながらも、同行させてもらうことにしたのでした。

社員旅行当日、始業時間よりも早い、朝7時に会社前集合です。私たちが待ち合わせ場所に着くと、すでにほとんどの社員が集まっていました。待ちきれなくて6時半に到着した人もいたとか。
ミャンマーは娯楽がたくさんある国ではありません。普段、若者の遊びといったら、パゴダ(お寺)に行ったり、湖の周りを散策したり、映画を観に行ったり、お茶を飲んだり…と、最も発展しているヤンゴンでもその程度です。
そのため、地方のビーチへ旅行に行くのは一大イベントなのです。
皆、普段よりおしゃれしていて、1泊2日なのになぜか大量の荷物を持っています。
(なぜこんなに荷物が多いのか、理由は後に分かります)

バスの中と外、ミャンマーの格差とは

さあ、チャーターしたバスに乗り込み、いざグエサウンビーチへ!
会社のあるヤンゴン中心部を抜け、郊外に向かうにつれて街の様子は変わっていきました。
会社の近くには、お城のような民家があったり、ショッピングセンターがあったりして、割と近代的です。家の近所のローカル達も、なぜか壁はないですが、電飾のついた仏様やテレビが家の中にあり、毎日ニコニコ楽しそうに暮らしています。社員達は、奇麗な民族衣装を毎日とっかえひっかえしておしゃれですし、皆スマートフォンを持っているし、ミャンマーは、想像していたよりもずっと豊かな国、という印象でした。
ところが、郊外に向かうにつれて、貧しい人が暮らす地区になっていくらしく、竹でできた掘建て小屋が多く見られるようになってきました。

夫は、半年間会社と家の往復しかしておらず、私もヤンゴンに着いたばかりで、本当に貧しい地域を見た事がありませんでした。
また、採用している社員達は大学卒業を条件としているため、ミャンマーの中でも、比較的豊かな家の子ばかりなので、気づかなかったのです。
この国は、貧富の差が、日本では考えられないほど大きいのでした。
心なしか、住んでいる人の表情も険しく感じます。
豊かな家ではなく、掘建て小屋の方に生まれてしまったら、生きていくのに精一杯で、きちんとした教育を受けるのも難しいのではないか、と想像がつきました。

縁あってこの国に来た私たちに、何かできる事はあるのだろうか。
色々考えましたが、今の自分たちにできる事は、目の前の社員達を頑張って育て、ミャンマーと日本をつなぐ人材になってもらうこと。そして両国の発展にも貢献すること。まずは自分たちの半径10メートルの世界からコツコツと積み重ねるしかないよね、と、話しながらの車中でした。

そんな真剣な話をする私たちを横目に、社員達はスマートフォンで写真を撮り合ってFacebookに投稿したり、お菓子を食べたりしながらワイワイガヤガヤとっても楽しそう。あまりの楽しそうな様子に、見ているこちらも元気になるほどです。
このバスの中の豊かな光景と、バスの外に見えた光景の違いについて考えていると、7時間の道中は思いの外あっという間でした。

電気なしのビーチリゾート

さて、ミャンマーの電力事情は、まだ安定しておらず、第一の都市であるヤンゴンでも、しばしば停電が発生します。グエサウンビーチも昼間は停電するよと聞いていたので、心の準備をしていました。
しかし、到着後『停電』ではないことが発覚。なんと『そもそも電気が通っていない』のです。
ホテルなどは発電機を使っているのですが、昼間は燃料の節約のため発電していないとか。

一見普通のホテルに到着すると、「18時から電気が使えますよ」と笑顔で言うフロントのおばちゃん。(…ということは18時までは電気が使えないという事ですね)
当然エアコンも効きません。
日本にいると、どこでもエアコンが効いているので忘れていましたが、夏って、こんな感じだった…という、じっとりした暑さに包まれるホテルの部屋。
とりあえずさっぱりしようとシャワーを出してみると、水しか出ません。
ちなみに、18時以降、一瞬エアコンが効いたのですが、発電機の調子が悪いなどの理由ですぐに停止。その後、若いホテルスタッフが、客室にロウソクを配りにやってきて、ついには電気も消えました。
真っ暗で蒸し暑い中、ガーゼを湿らせて息子の汗を拭き、虫除けスプレーをふりかけ、一晩を過ごしたのでした。

ミャンマー流ビーチの楽しみ方

そういう訳で、昼間は停電しているので、ビーチに行くしかないのです。 ミャンマー人は、水着を着ないよ、と聞いていたので、水際で軽くちゃぷちゃぷ足を濡らすくらいなのかな?と予想していたのですが、そうではありませんでした。水着を着ないだけで、海の楽しみ方はかなりワイルド!皆、服のまま果敢に海の中に入っていくのです。ビーチに置いてある浮き輪に皆でつかまって、波が来るたびに「ラービー(来るよ)!!!」と言いながら楽しく流されて、また波に向かって…を繰り返します。
私も仲間に入れてもらいましたが、ただそれだけなのに妙に楽しい!
そうやって服のまま海で楽しむと、一日に何回も着替えるので皆荷物が多かったのです。
目一杯楽しんだため、帰りのバスの中では皆爆睡。
なかなかにサバイバルでしたが、社員達と、そしてミャンマーという国と、少し距離が縮まった気がした社員旅行だったのでした。