Vol.23 ミャンマーには娯楽が少ない?

娯楽過疎地と呼ばれるヤンゴン

ヤンゴンに住む日本人が口癖のように言うのが「ミャンマーには娯楽が少ない」というものです。
たしかに、駐在員の、特に男性の方だと、そのように感じるかもしれません。ナイトスポットの充実度合いは、東京やバンコクにはかないませんし、夜遅くまでやっているお店も限られているので、「眠らない街」ではなく、「眠れる街」ヤンゴンだと言う人もいます。ヤンゴン1おしゃれなルーフトップバーも22時閉店です。
スポーツをされる方だと、毎週ゴルフに行ったりするのでしょうが、1年の半分は雨季なのと、気温が40℃を超える時期もあるため、快適なプレイ環境とは言い難いです。美術館や博物館も日本に比べてとても少ない印象です。

私も、住み始めた当初は「娯楽が少ないなー」と思っていました。でも今は、「意外とミャンマーには、娯楽が多いんじゃない?それも、小さな子供がいても楽しめるような娯楽が多いのでは?」と感じています。

意外とたくさん、タダの娯楽

私の娯楽の情報源は、Facebookです。居住地をミャンマー、ヤンゴンに設定しておくと、ミャンマーのFacebookページの広告が表示されるようになるので、興味のあるページに片っ端からLikeをしておくのです。また、各国の在ミャンマー大使館や大きなホテルのFacebookページにもLikeをしておくと、色々なイベント情報が手に入るようになります。たいていのページは、英語でも情報発信をしていますので内容の理解もでき、興味があるイベントをフォローして出かけてみるようになりました。

そこで気づいたのが音楽イベントの多さです。色々な国からゲストを招いて、ミャンマーの伝統的な音楽家と競演するイベントや、オーケストラコンサートが頻繁に開催されています。特筆すべきは、これらのイベントが大抵「入場無料」であるということです。これは、大使館や企業がスポンサーになっている事が多いようです。

また、各国の大使館が主催する映画イベントも時々開かれているのですが、これも「入場無料」です。日本の映画やアニメが連日上映される映画祭もあり、ミャンマーにいながらにして日本の映画を楽しんだこともあります。

そして、私たちにとって、とても嬉しいのが、オーケストラも映画館も、小さな子供連れで気軽に出かけられることです。
オーケストライベントは、ホテルのボールルームで開催されることが多いのですが、そこに集まっている子供連れの人の多いこと!欧米の方もミャンマーの方も、子供を連れてきているので、じゅうたん敷きの通路の間は子供達が駆け回っています。演奏する人も給仕をする人も慣れたものです。皆、それぞれに音楽を楽しんでいて、静かでないコンサートも良いものだなと思います。

映画館では、ミャンマーの人たちも、電話がかかってきたら、映画中でも出て話しているし、友達同士でも会話したり、笑ったりしているし、お菓子も大きな音をたててポリポリ食べているし、子供が多少ぐずったところで誰も気にしないのです。 一度、息子が映画中に泣き出したことがあります。夫が抱っこして席を立ちましたが、近くに座っていたミャンマー人は「なぜ出て行くの?」という表情をした後に、「バイバーイ」と笑顔で手をふってくれました。映画中に子供が泣く=迷惑 とは誰も思っていないようです。

静かに楽しみたい人には向きませんが、気軽に子連れで、しかも無料で行ける場所が多いことに、いつも助けられています。 コラムの中で何度も触れている「赤ちゃんは正義、子供は正義」というミャンマーの国民性が、子連れ娯楽のハードルをだいぶ下げてくれていることは間違いありません。

エンターテイメントで存在感を増すフランス、そして日本は

そんなミャンマーの娯楽事情の中でも、特に存在感を発揮している国があります。それはフランスです。

先日、フランスのサーカスがヤンゴンで公演し、その情報を友人から得て観に行ってきました。大掛かりな装置や、ライオンが火の輪をくぐるような派手な事は何もありませんでしたが、いかにもサーカスといったテントは可愛らしかったし、センスと演出でこんなに素敵なエンターテインメントが出来るのだなと、とても楽しい時間を過ごすことができました。

また、フランスが主催で行っているアート&音楽フェスティバルもありました。ミンガラーバーフェスティバルという名前で、ダウンタウンの道路を封鎖したり、人民公園という大きな公園を使ったりして、数日間に渡ってヤンゴン市内の各地で盛大に開催され、たくさんのミャンマー人や外国人が参加して楽しんでいました。今度はフォトフェスティバルも開催されるようで、それもダウンタウンの有名な公園をいっぱいに使って行われるようです。

それにひきかえ…と思ってしまうのが日本主催のイベントで、会場の規模も小さく、告知もなんだか地味に感じてしまうのです。 エンターテイメントが得意な国と、そうでない国との差は大きいな…と思っていたのですが、日本が存在感を発揮している場所がありました。 ヤンゴン川から、対岸のダラという街に渡るための船は、日本から寄贈されたもので、日本人は無料で乗ることが出来るそうです。 次のお休みには、船に乗って対岸のローカルな街に行ってみようかな、と計画しています。

日本に比べて、娯楽の選択肢は少なくても、なんだか毎週のように楽しいことがあると感じている今日この頃なのです。